小型ビニールハウスで農業実験するブログ。

小型ビニールハウスによる「小さな農業」を応援すべく、農業資材や野菜品種を試して情報発信します。

ビニールハウス側面に防虫ネットを張る方法。

2024年の異常気象は昨年よりも深刻になりそうですね。

2/18日だと言うのに、まるで4月とも思える暖かさでした。


こんな状態だと、ビニールハウスの中はかなりの高温になる為、換気が必要になります。

その換気ですが、最も普及しているのが側面のビニールを巻き上げる方法です。

しかし、巻き上げた部分が害虫に対して無防備となり、露路栽培に対するアドバンテージが無くなる為、近年は防虫ネットを張る例が増えているのです。

今回は側面換気の課題の一つである「防虫ネットの展開」について解説していきます。


まず、ビニールハウス新設時に検討したいのが、ダブルペット(東都興業)やダブルビニバーα(佐藤産業)といった資材です。

2列のレールが一体化しており、ビニールの張り分けが可能になります。

屋根のみ張り替え…と言う状況にもスムーズに対応できるし、(溝の深さの関係で)下側にネット+巻き上げ用ビニールをスムーズに固定する事ができます。



欠点は価格が高い事、(外ジョイントによる)繋ぎ目から水滴が落ちる事、くらいです。

多少予算がかかっても、外観や後々の作業性を重視する場合は満足度が高いと思います。


次に紹介するのは、ビニペット(ビニバーα)を1列追加し、その部分に防虫ネットの上端を固定する方法です。

主に、既設のビニールハウスに対して行うアップグレードになります。



ビニールハウスの側面換気は、物理的に上までガッツリ巻き上げる事ができないし、ネット固定用レールの位置まで巻き上げるようにすれば、隙間が開く事もありません。

多少外観が悪いですが、ネット固定用レールの取り付け金具を減らす(アーチパイプ1本おき等)事で予算も少し抑えられます。


最後は、ビニールハウスの内側からパッカーで固定する方法です。

予算的に最も安価な方法と言えるでしょう。



ここ方法の欠点は隙間ができやすい(工夫次第で改善可能?)事、外側から強風で押されるとパッカーが外れやすい事です。

筆者としては応急的な方法と言う認識ですが、極力予算を抑えたい、(鱗翅目等の)大型害虫だけ防げれば良い場合、この方法を採用する例が多いようです。


さて、この防虫ネットですが、筆者が近年使用しているのがサンサンネットeレッド(日本ワイドクロス)です。

赤い色はアザミウマから黒い壁に見え、侵入を抑制する効果があるようで、0.8mmの目合いでもアザミウマに関しては被害が出ていません。


しかし、0.8mm〜1mmの目合いでもアブラムシは防げず、その点は農薬に頼るしかありません。

勿論、鱗翅目は完封だし、ウリハムシやテントウムシダマシの侵入も抑えられているので、やはり防虫ネットのメリットは大きいと思いますね。