小型ビニールハウスで農業実験するブログ。

小型ビニールハウスによる「小さな農業」を応援すべく、農業資材や野菜品種を試して情報発信します。

キュウリ苗の接木(断根挿し接ぎ)、追加。

本日も(売り苗用の)キュウリを接木していきます。

前回の台木を生かしておいた分もあり、胚軸が細すぎて〜と言う問題は無かったので、全て断根挿し接ぎで対処しました。


この方法はクリップやチューブのような支持具も要らず、作業自体も早いので、ホームセンターの量産苗でもお馴染みです。

では、やり方をザックリと解説しましょう。



まず、台木を地際部から切り取り(長すぎる場合は要調整)、台芽を除去します。



台木の真ん中に竹串(平らに削る)を挿し込みます。

この際、穂木の切断面と合わせる為、竹串は斜めに挿し込む事が重要です。



穂木は胚軸の片側のみ斜めに削ぐ人と、両側を楔状に削ぐ人がいます。

筆者の後者の方法を採用しています。

整形の終わった穂木は、先述の竹串を置き換える形で台木に挿しこみます。

完成形は、台木と穂木の子葉の向きが直角で、上から見ると十字になる感じです。



接木が終わった苗は、培地にガシガシ挿し込みます。

人によっては、接いだ苗を発砲スチロール箱に詰めて30度で1時間活着促進するとか、一旦萎れさせた方が挿した衝撃で穂木が脱落しにくいとか、色々意見があるようです。

しかし、接いだ苗は時間が経つと曲がってしまうので、筆者はすぐに挿す派ですね。


培地に挿した苗はその後、密閉+遮光の上、夜間=18度くらいで管理します。

日中は25度くらいが理想か…。

接木後、3〜5日くらいを高温多湿→通常管理に向けて自然光下に置く時間を増やしていきます。

その過程で萎れた場合は、再度遮光+高温多湿環境に置いて回復させます。

この作業を繰り返しながら、接木後8日くらいを目安に、通常管理へ移行するのが理想です。


ちなみに、断根挿し接ぎ苗はセルトレイで量産する例も多く、本葉1.5枚くらいで直接定植する人もいます。

ただ、筆者から苗を購入する人は皆、本葉3枚以上のポット苗を希望するので、活着後も鉢上げ→二次育苗が待っています。


断根挿し接ぎは接木作業自体は早いですが、二次育苗すると培土の消費量は呼び接ぎと変わらないですね。

結局鉢上げする事を考えると、作業時間の前借り、一時的に省スペース、くらいのメリットしかないかもしれないです。