トマト育苗、生育の早い個体を接木。
数日前、トマト(TY秀福 / カネコ種苗)の生育がバラついている事を記事にしました。
その後、接木のタイミングで迷っていたのですが、本日(3/16)生育の早い個体を30株程接木しました。
トマトの接木方法は複数ありますが、筆者は5年くらい前から「呼び接ぎ」を採用しています。
呼び接ぎは、台木、穂木、共に根を付けた状態で植物体に切り目を入れて噛み合わせ、クリップで固定します。
その後、接合部が癒着した後、穂木の根を切り離す、と言う作業です。
筆者の呼び接ぎは、若い頃(20代)からの試行錯誤の上で現在の形になったので、そのやり方を少し紹介しましょう。
まず、台木の切り方です。
子葉でも第一本葉でも良いのですが、その付け根で上部を切り落とします。
(子葉の場合は高さが同じなので、1枚と同時に切り落とす)。
次に残った葉柄の逆側の斜めに削ぎ、その頂点部分から下に切り下げます(割り接ぎみたいな感じ)。
台木も接木する位置は葉柄の付いた位置です。
目的や生育状態によって、子葉になるか第一本葉以降になるか分かりませんが、その葉を切り落としながら表皮を剥ぎます。
そして、接木位置の少し下から切り上げるのです。
整形した台木と穂木は噛み合わせ、穂木の側からクリップで固定します。
呼び接ぎは接木と鉢上げを同時に行うので、10.5cm以上のポットに鉢上げし、クリップに支柱を立てておくのです。
その後の管理は、翌日が完全遮光→次の日は軽めの遮光→以降通常管理、となります。
穂木の切断は10日後くらいですね。
ちなみに、現在のトマトの接木は、使い捨てのチューブを使った方法が主流で、呼び接ぎや割り接ぎとは比較にならないくらい早いです。
筆者も農業の実験を始めた頃は様々な接木チューブを試したのですが、穂木に根が無い為、どうしても強度の遮光+多湿での管理時間が長くなる。
その為かどうか確証は無いのですが、チューブに比べ、呼び接ぎの方が花芽の位置が下がるのですよ。
軒の低い小型ハウスの場合、段数を稼ぎたいので、これは大きなアドバンテージになると思います。
それでは、引き続きトマトの育苗関連に記事を書いていく予定です。
次は残りの個体の接木時か、本日の分の切り離し時になると思いますが…。
また、トマトを含むナス科の呼び接ぎですが、今後詳しい図解記事を用意するつもりです。
筆者は何かに取り組む際、後々他人に教えるつもりで学ぶし、より簡単に習得してもらえるように改良する癖があります。
おそらく、今後も変わらないでしょう。
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