小型ビニールハウスで農業実験するブログ。

小型ビニールハウスによる「小さな農業」を応援すべく、農業資材や野菜品種を試して情報発信します。

馬鈴薯の育苗失敗、急遽定植へ。

以前の記事で紹介した種芋をポット育苗していたのですが、今年は育苗の失敗が確実視される状況になりました。



発芽揃いが悪いと言うか、芽が出ていない個体の方が多いのです。
キタカムイはまだマシなのですが、ピルカの方は悲惨ですね。



勿論、このまま発芽を待つ事もできるのですが、ビニールハウスはキュウリの定植を控えており、放置する場合は露地に置く事になる。
それなら、発芽した個体は定植し、残りはポットから出して種芋として植えられそうなモノは植える(実質直播)。
腐っていたり、発芽が期待できないモノは廃棄する。
この方法で全部処分する事にしました。



とりあえず、発芽していた個体は根が回っています。
もし、これが(ポットによる棍域の制限が無い)直播であったなら、今頃どのくらいの大きさになっていたでしょう…。


筆者が馬鈴薯のポット育苗を行うようになったのは5年以上前ですが、理由はおそらく、欠株を防ぎたい為であったと思う。
ただ、今となっては欠株が出るよりも、育苗自体の手間や生育スピードの遅さ、そして発芽率の悪さ、といったデメリットの方が大きいと感じます。
来年は間違いなく、直播確定でしょう。

5月最初の播種、つるなしインゲン。

5月になり、そろそろ豆類も蒔き時かな?と思います。
そこで今回は、つるなしインゲンを蒔きました。



品種は、チャーリー(カネコ種苗)です。
食味に優れ、プランターでも栽培可能な品種ですね。
個人的には、天ぷらが非常に美味いと思います。



種は2cm程度穴を開け、9cmポットに2つずつ蒔いていきます。
つるなしインゲンに限らず、豆類の露地直蒔きは鳥害に遭いやすいので、数が少なければ育苗→定植が安定します。



当方の栽培量は少ないので、知人の定植分もまとめて育苗します。
非営利栽培の場合、インゲンはつるなし種の方が人気のようです。
順調にいけば、5月中には苗が仕上がると思います。

キュウリ品種: アドミラルとクラージュ2の違いについて。

4月も残すところ1日、筆者もキュウリ苗の販売を開始しました。

2024年は前年の残りの「アドミラル」、露地の家庭菜園層に的を絞った「なついろ」、自宅定植用の「クラージュ2」の3品種を作っています。
クラージュ2は定植して残った分を販売する予定です。
先述の3種は、ときわ硏究場の品種なので、ホームセンターの苗と差別化できる為、多少値上げしても十分勝負できるでしょう。


実は、昨年(2023年)はアドミラルとクラージュ2を両方栽培しており、当方のスタイルにはクラージュ2の方が合っていたので、2024年の続投を決定しました。
今回のそのアドミラルとクラージュ2の違いについて、筆者の所感を記事にしようと思います。


周知の通り、営利栽培向けのキュウリは専門メーカー3社(埼玉原種育成会 / 久留米原種育成会 / ときわ硏究場)が市場シェアを独占しています。
ちなみに、当地域では埼玉原種が多く、久留米原種に関しては未だメインで使っている人に会った事がありません。
勿論、ときわ硏究場の品種も根強い支持があり、夏秋雨除け栽培おいて同社品種では、アドミラル or クラージュ2が選ばれているようです。


まず、昨年(2023年)の栽培風景を見ていきましょう。



アドミラルとクラージュ2の決定的な違いは、褐斑病の耐病性です。

カタログ上は両品種とも褐斑病の耐病品種になっていますが、クラージュ2は普通に出る、一方アドミラルは褐斑病に対して超絶的な強さです。

防除もダコニール1000やベルクート等の保護殺菌剤のみで、対褐斑病の1軍系(セイビアーやフルピカ等)は使っていません。

他社品種を含め、ここまで褐斑病に強い品種は見た事がありません。


しかしながら、アドミラルは他の複合耐病性品種に比べ、べと病に弱いと思います。

筆者以外に栽培した複数の人が同意見のようなので、ほぼ間違いないでしょう。

加えて、アドミラルは果実肥大が少し遅く、収量重視言うより、省力路線の印象を受けました。

あと、従来のときわ硏究場の品種に比べ、果焼けは出にくい方かな。


逆に、クラージュ2はごく普通の無加温栽培向け品種と言った感じです。

果実肥大も早く、果形の安定性、食味の良さなど、夏秋雨除けで迷ったらコレ!的な品種かと思います。


最後に、内容をまとめます。

夏秋雨除けで迷ったら、とりあえずクラージュ2を選んでおく。

クラージュ2で褐斑病、果焼け、管理作業の労力的な問題、等がある場合にアドミラルを検討。

そんな感じで選んでいくと良いかもしれません。