小型ビニールハウスで農業実験するブログ。

小型ビニールハウスによる「小さな農業」を応援すべく、農業資材や野菜品種を試して情報発信します。

キュウリ苗の二次育苗開始、今回は鉢上げ。

4月7日接木(断根挿し接ぎ)分の苗が活着→本葉展開になったので、鉢上げする事にしました。



この方法は呼び接ぎと違い、やや活着率が落ちる傾向があり、今回も3株死亡しました。

まぁ、台木に対して穂木が太かったので、穂木の脱落もあり、残りは接合部の接触不良かと思います。



活着分は、しっかり発根しています。

6cmの培地→10.5cmポットへのアップグレードで、今後生育がグングン加速していくでしょう。



ちなみに、もう一つ別の接ぎ方で接いだ個体も複数あります。

断根片葉切断接ぎと言われる、台木の片葉を斜めに削ぎ、同様に斜めに切断した穂木を合わせる方法ですね。



筆者はこの方法を、穂木が太過ぎ、台木に挿せない場合に(応急的に)使用しています。

この方法は作業スピードが早く、専用のチューブも開発されているので、家庭菜園でも採用例が多いでしょう。



筆者も昔はチューブを使用していたのですが、高価な上に使い捨てなので、コスパの点からクリップに切り替えました。

それでも、断根片葉切断接ぎをメインにしていないのは、初期の生育スピードが劣る為です。

しかし、作業スピード以外にも、胚軸径の融通が効く事や、支柱を立てて曲がりを防止できる利点もあり、売り切りの苗なら有りかもしれません。



さて、一通り鉢上げが終わったのですが、苗の傾きや胚軸長の調整(埋め込む深さ)を行いながらの作業なので、ハッキリ言って呼び接ぎ以上に時間がかかるかもしれない。

ただ、温床面積が少ない現状、活着まで省スペースで済む断根系接木に頼るしかないのも事実です。

ブロッコリー「翠麟」定植。

キュウリの接木がひと段落したので、この機会にブロッコリー(翠麟/トキタ種苗)を定植しました。

この品種は窒素過多で茎に穴が開きやすいので、基肥は抑え気味にしています。



72穴セルトレイ→6cmポットに鉢上げして時間を稼いでいたのですが、これくらい根が張ってくると年貢のの納め時です。

ちなみに定植場所は、カボチャの圃場なので、ブロッコリーにも古マルチを使います。

ブロッコリーの収穫が終われば、その場所にカボチャのつるが這う事になるのですね。



まぁ、秋どりの時よりは数が少ない(80株くらい)ですが、これも直売で捌く予定です。

そして脇芽は、飼い猫のキャットフード(おやつ)に…。

トマト「TY秀福」が開花。

トマトのTY秀福(カネコ種苗)が開花し、本来なら誘引しても良いサイズになりました。

しかし、来週も気温が下がる予想なので、もう少しトンネルで保温しようと思っています。



TY秀福は若苗定植型の品種なので、開花前に定植していますが、定植→活着後はガンガン生育し、ついに花が咲いてきました。



こうなると、トマトトーンを用意しなくてはいけません。



トマトトーンは20度以下だと50倍、高温期は100倍らしいので、最初は50倍で作り、半分くらい減ったら水を足して薄めています。

一度処理した部分がわかるように食紅を混ぜていますが、何年も保管した食紅は固まってしまうので、ハンマーで砕いています。


個人的に、トマトトーンの処理は面倒な作業だと思っていますが、単為結果性品種は少なく、選択肢が限られるのが難点。

種苗メーカー各社も、開発に熱心な印象は無いので、我々はまだまだトマトトーンに頼る事になるでしょう。