小型ビニールハウスで農業実験するブログ。

小型ビニールハウスによる「小さな農業」を応援すべく、農業資材や野菜品種を試して情報発信します。

育苗準備の為、温床を設置。

2024年も、春野菜の育苗の時期がやってきました。

勿論、宮城県の1〜3月は夜間氷点下になる事も珍しくないし、野菜を発芽→生育させるには温床が必要になるのです。

今回の記事は、その温床の設置の様子。

大規模な育苗が必要な現場では、温床線を使用する大掛かりな物になりますが、筆者の場合は家庭菜園でもお馴染みの「農電マット」を使用します。



農電マットは地面に直置きせず、断熱材を挟むのが基本です。

筆者は断熱材として、発泡スチロール製の蓋を並べるスタイル。

今回は雑草対策で、地面→古マルチ(黒)→発泡スチロール、の順に置いていきます。



続いて農電マット本体を置き、その上に農ポリ/農POを敷いて汚れ対策をします。

農電マット自体は防水仕様との事ですが、直接苗カゴやポット類を置いたり、移動したり、灌水を繰り返す事で、破損しやすいのでは?と考えました。

農ポリ等を敷く事で、精神衛生上の安心感にもつながります。



農電マットはトンネルとの併用するのが基本。

また、温度の上がりすぎを防ぐ為、(設定温度になると電源が切れる)電子サーモに接続します。

本日はまだ通電させていませんが、近いうちにトマト、チンゲンサイを播種する予定。

この農電マットは180cm × 90cmしかないので、キュウリの育苗が始まるともう1枚追加して運用します。


2024年はナス、ピーマンの育苗をやらない上、トマトも若苗定植型+無加温と言う事で、例年よりも遅いスタートです。

農電マットは電気毛布と同じ仕組みなので、稼働を1ヶ月遅らせると電気代が結構変わると思いますね…。

梨地農PO比較、降雪時。

雪が降りました…。
宮城でも沿岸部は降雪量が少ないので、ビニールハウスが潰れたとか、ガッツリ目の補強を入れたとか、そのような話はほぼ聞かないのですが。
ビニールハウスの被膜材である農POによって、雪の落ち方に差があると感じたので記事を書いてみます。



まず、筆者宅の2つのハウスですが、奥の方が美サンランイースター(MKVアドバンス)、手前の方が伸野果SUN-X(住化積水)。
いずれも2023年に張り替えており、手前の方が日当たりも良く、屋根の傾斜が急になっています。
以前、これらのハウスは透明タイプ農POのコーティング5+1(タキロンシーアイ)を張っており、その時は手間のハウスの方が圧倒的に早く雪が落ちていたのですが、今回は逆なのです。



こちらが伸野果SUN-X、雪の落ち方は例年と変わらない感じ。
骨の部分から溶けて、天窓は最後まで残る。



そして、美サンランイースター、天窓以外は全部落ちている。
しかも明るいのです。



最後に当地方で一般的なコーティング5+1を張ったミニハウス。
まぁ、日当たりの関係もあるんでしょうが、こっちは落ちるまで時間がかかりそうです。


ビニールハウスの被膜材は、当地方だと皆コーティング5+1のような透明タイプを張っており、梨地は昔のたばこ用みたいな認識の人が多いです。
梨地=冬に温度が上がらない、雪が落ちない…みたいなイメージがあるようで、野菜用に使う人が居ないのですね。


また、興味深い資材として、調光シリーズ(サンテーラ)のように、温度によって透明→梨地に変化する農POもあります。
高温期は梨地になって焼け対策、低温期は透明になって温度確保、と言うコンセプトらしいです。
ただ、効果がどれだけ持続するか情報が少ない上に、価格が高いので、なかなか試す勇気がありませんね…。


筆者はここ5年くらいで、ビニールハウスを周年で活用する為に複数の資材や方法を試していますが、中でも美サンランイースター(MKVアドバンス)は特にオススメ。
やはり、他人に勧める資材・手法などは、前もって自分で試す事で説得力が生まれますね。

チンゲンサイを収穫、冬期は難しい。

2024年最初の収穫物です。

2023/10/13日播種→同11/16定植のチンゲンサイで、品種は青帝(サカタのタネ)。

元作業場のミニハウスなので土が出来ていない上、この時期は日当たりも悪く低調気味です。



青帝は高温期が苦手、それ以外は周年栽培が可能らしいですが、それは(おそらく)関東以南の話でしょう。

筆者はハウスの中にトンネルで保温するスタイルですが、それでも連日夜間氷点下になるので、凍害は避けられなかったようです。

昨年との違いは黒マルチの導入ですが、尻部の腐りが減りました。



外葉でも茎の太い部分は、自家消費用等で食品ロスを削減。

少し繊維質ですが、十分美味い。



今回は生育のマシな個体から収穫したものの、1株50g〜90g程度です。

チンゲンサイの出荷規格は250g/袋、なので1袋に3〜4株詰が主体になりました。

明日から地元の直売施設で販売します。