小型ビニールハウスで農業実験するブログ。

小型ビニールハウスによる「小さな農業」を応援すべく、農業資材や野菜品種を試して情報発信します。

接木の新ネタ、呼び接ぎの外観で断根挿し接ぎの管理。

さて、今回は面白い接木ネタを思いつき、早速実行してみました。




コレ、一見すると呼び接ぎの苗に見えますが…、接木後の管理は断根挿し接ぎと同様なのですよ。

つまり、台木も穂木も、根が無い状態で呼び接ぎと同様の接ぎ方を行い、その後は数日間強遮光や多湿条件で管理、以降徐々に慣らしながら通常管理に移行するのです。

ちなみに、最初は強遮光での管理が前提なので、通常の呼び接ぎより穂木をガッツリ切り上げても大丈夫です。


穂木の胚軸は少し長めにしてあるので、活着後に(自根が発生して地面に付かないように)切り詰めますが…。

それ以外は断根挿し接ぎと何ら変わりません。


筆者は接木前の苗が揃わない場合、特に穂木が適期より大きくなった場合は、断根片葉切断接ぎで対応していました。

しかし、台木の子葉が1枚の価値は想像以上に大きく、鉢上げ時の根の量や、初期の生育で差がでるのです。


そこで、この方法を用いれば、適期より大きくなった穂木を、子葉2枚の台木に接ぐ事が可能になります。

また、呼び接ぎ用のクリップを流用すると収まりが悪く、活着率が落ちるのですが…これなら支持具に追加投資する必要もありません。


今後は仕方なくやっていた断根片葉切断接ぎを、この方法で置き換えていきます。

今年でなんとなく、筆者の売苗生産のスタイルが固まってきましたね。

5月中旬突入、農繁期。

5月も連休が明け、中旬に突入しました。

農繁期でもあり、記事のネタはいくらでもあるのですが、何も書く気力無く寝る事が増えました。


とりあえず、今日やった事…。

人参蒔きました。




ちはま五寸(横浜植木)なのですが、間違って生種を買ってしまい…、「どうせ発芽で失敗するだろうから適当に蒔こう」みたいな感じになりました。

この圃場は石が多く、運良く生育してもまともな形状は期待できないので、全量自家消費です。

近年、人参の価格が高いので、少しでも家計の足しになれば良いですね。


さて、連日キュウリの種まき、接木、鉢上げ、販売、のラッシュが続いています。




キュウリ苗は飛ぶように売れるので、供給が追いついていません。

ガンガン作らないといけません。

腰痛いですが、頑張ります。

夏秋雨除けキュウリを定植。

例年より遅れていますが、5月8日、夏秋キュウリを定植しました。
以前の記事で取り上げた、クラージュ2(ときわ研究場)の呼び接ぎ苗です。



正直に言うと、今回の呼び接ぎ苗は質が悪いです。
天候に合わせて接木のタイミングを(適期から)早めたのもありますが、胚軸切り離しから2日遮光し、そこから時間が経っても晴天や風でガンガン萎れる個体が続出。
枯死や活着不良で定植できなかった個体も多く、ここ10年で最悪の結果と言えますね。



今回定植した苗の写真ですが、地上部が徒長気味で軟弱、根の発達は地上部の生育に対して遅く、バランスが悪いです。
これでは、定植後の活着に苦戦する事が予想されます。


それでは、圃場の準備。
キュウリはガンガン水をやるので、潅水チューブは苗の両側に設置。

バルブを付けて、畝ごとにON/OFFができるようにしています。

ハウスの中央は乾きやすいので、この方法なら、左+中央 → 右+中央、といった灌水が可能になります。



近隣では、3間間口のハウスだと「2条植え × 2」を採用する人も居ますが、筆者は「3条植え × 3」です。
また、株間は60cmとっているので、栽培密度は低い方だと思いますね。



ちなみに、ここ2日くらい、夜間~朝にかけて5~6度くらいの予報なので、パオパオのトンネルを設置して保温します。
東北地方は、5月でも遅霜が怖いのです。



パオパオは日中、日除けにもなってくれると思うので、うまく活着してくれる事を祈ります。